私と車の物語:PORSCHE 718BOXSTER S(2020-2024)

こんにちは、畑岡です。

前回はトヨタ・アルファードという高級ミニバンについてお話ししました。今回は、ポルシェ718ボクスターSについて綴りたいと思います。私の車遍歴において、最も長く付き合い、そして最も活用してきたスポーツカーとなりました。

スポーツカーの中の万能選手

数多くのスポーツカーやスーパーカーを所有してきた私ですが、718ボクスターSほど「万能選手」として活躍してくれた車はありません。このミッドシップオープンスポーツカーは、街中の使い勝手の良さからワインディングロードでの走りの楽しさ、さらには週末の小旅行まで、あらゆるシーンで期待以上のパフォーマンスを発揮してくれます。

コンパクトなボディサイズは都市部での取り回しの良さにつながり、駐車場や狭い道でのストレスが少ないのは日常使いにおいて大きなメリットです。日本の道路環境を考えると、このサイズ感は絶妙と言えるでしょう。大型のスーパーカーでは気を遣う場面も、このボクスターならば気軽に乗りこなせるのです。

2.5リッターの水平対向4気筒ターボエンジンは、最高出力350馬力を発揮し、日常使いでは「必要以上に速い」と感じるほどのパワーを持っています。特に中間加速の鋭さは印象的で、高速道路での追い越しなどでは常に余裕を持った走りが可能です。そして驚くべきことに、この高いパフォーマンスにもかかわらず、乗り心地はしなやかで長距離ドライブでも疲労が少ないのです。

オープンエアの魅力

718ボクスターSの大きな特徴は、もちろんオープンカーであることです。電動で開閉する幌は、約20秒という短時間で操作が完了し、信号待ちでも気軽に開け閉めできるほどの手軽さがあります。

晴れた日のオープン走行は、スポーツカーならではの特別な体験です。風を感じながらのドライブは、単なる「移動」を「感動体験」へと変えてくれます。特に四季折々の自然の中を走る時の開放感は何物にも代えがたく、季節の移り変わりを肌で感じることができるのもオープンカーならではの魅力です。

春の桜並木、夏の夕暮れ時、秋の紅葉、冬の澄んだ空気。それぞれの季節が持つ香りや空気感を全身で感じながらのドライブは、クローズドカーでは決して味わえない豊かな体験をもたらしてくれました。

4気筒エンジンの個性

718シリーズが登場した際、それまでの6気筒から4気筒ターボへの変更について、多くの議論がありました。確かにエンジン音の質感は以前のモデルとは異なりますが、個人的には4気筒ならではの「少し荒っぽい」感じも悪くないと感じています。

むしろ、その独特のエキゾーストノートは、クルマに個性を与えてくれていると思います。特に3000回転を超えたあたりからの力強い加速感と相まって、スポーティな走りの演出に一役買っているのです。

もちろん、6気筒の官能的なサウンドを懐かしむ気持ちもありますが、4気筒ターボのキャラクターにも十分な魅力があります。エンジンは時代とともに進化するもの。その変化を受け入れつつ、新たな楽しみ方を見つけていくのも、クルマ好きの醍醐味ではないでしょうか。

実用性という意外な強み

718ボクスターSの予想外の魅力は、その実用性の高さにあります。2シーターのコンパクトスポーツカーながら、フロントとリアの二箇所にトランクスペースを持つため、荷物の積載能力は想像以上です。

週末の1泊2日程度の旅行なら、二人分の荷物を余裕で積むことができます。実際、温泉地への小旅行や、海辺でのドライブ旅行など、このクルマと共に過ごした思い出は数えきれません。

また、日常の買い物にも十分対応でき、使い勝手の良さは驚くほどです。「スポーツカーは不便」という先入観を覆すような実用性の高さは、このクルマを長く乗り続ける理由の一つになっています。

4年間の充実した日々

2020年から現在に至るまでの4年間、718ボクスターSは私の車遍歴の中で最も長く付き合ったスポーツカーとなりました。その理由は単純で、あらゆる場面で活躍してくれる「万能さ」にあります。

これまで所有してきた様々なスポーツカーやスーパーカーの中には、走りの楽しさは抜群でも日常使いには不向きなもの、あるいは見た目や特別感は素晴らしくても乗る機会が限られてしまうものがありました。しかしこの718ボクスターSは、その両方をバランス良く併せ持ち、結果として最も「活用できた」スポーツカーとなったのです。

4年間で約2万キロの走行距離を重ねましたが、大きなトラブルもなく安定した走りを続けてくれています。ポルシェの信頼性の高さも、長く付き合える理由の一つでしょう。

未来への視線

次世代のボクスターはEV化が進むとの情報もあります。電動化は時代の流れとして避けられないものかもしれませんが、将来的にはエンジンモデルも復活する可能性があるとのニュースも耳にします。

私個人としては、エンジンの鼓動を感じるドライビングの楽しさには代えがたい価値があると思っています。将来、新しいエンジンモデルのボクスターが登場し、新車で購入できる機会があれば、ぜひまた手に入れたいと考えています。

それまでは、現在の718ボクスターSとの時間を大切にしながら、共に素晴らしいドライブの思い出を重ねていきたいと思います。

おわりに

ポルシェ718ボクスターSとの4年間は、私にとって「スポーツカーとの理想的な関係」を教えてくれました。それは「特別な日だけの贅沢品」ではなく、「日常を彩る愛すべきパートナー」としての関係です。

走る喜びと実用性のバランス、特別感と親しみやすさの共存。718ボクスターSは、そんな相反する要素を高いレベルで両立させた、素晴らしい一台だと感じています。

これからも季節の移り変わりとともに、この相棒との時間を楽しんでいきたいと思います。それでは、また次回のブログでお会いしましょう。


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