
こんにちは、畑岡です。
前回はフェラーリF430を再び購入した情熱的な経験についてお話ししました。今回は私が最近まで愛用していた、日産セレナe-power(C27型)について綴りたいと思います。
次世代の駆動システムとの出会い
2018年、前モデル(C26型)のセレナに乗り続けて約4年が経過した頃、新型のC27型セレナが発表されました。普段はモデルチェンジ直後の購入は避ける主義でしたが、この新型セレナには特別な魅力がありました。それが「e-power」という革新的な駆動システムでした。
e-powerは、従来のハイブリッドシステムとは一線を画す日産独自の技術です。最大の特徴は、エンジンが発電のみを担当し、タイヤを駆動するのは100%電気モーターという点にあります。つまり、エンジンは電気を作るための「発電機」としての役割に徹し、実際の走行に必要な力は全てモーターから供給されるのです。
この仕組みに大変興味を持ち、試乗をして確かめたところ、その走行フィーリングの素晴らしさに驚かされました。電気自動車のような滑らかな加速感と静粛性を持ちながら、充電の必要がなく従来のガソリン車と同じ感覚で使える。まさに「いいとこ取り」のシステムだと感じました。
進化を実感する日常
新型セレナe-powerを購入して最初に気づいたのは、前モデルと比較して顕著に向上した燃費性能でした。回生ブレーキシステムが採用されており、減速時のエネルギーを電気に変換して再利用することで、ガソリン消費量が大幅に削減されていました。市街地走行では、前モデルが10キロメートル/リッター程度だったのに対し、e-powerでは15キロメートル/リッター以上を安定して記録。長距離走行でも、その差は明らかでした。
また、内装の質感も大きく向上していました。ダッシュボードやドアトリムの素材感が高級感を増し、シートの座り心地も改善されていました。特にフロントシートは長時間の運転でも疲れにくく設計されており、ロングドライブでの快適性が格段に向上していると感じました。
静粛性という贅沢
e-powerシステムの最大の恩恵は、その静粛性にありました。通常の走行では、エンジンが最も効率の良い回転数で静かに発電を行い、加速に必要な力は全てモーターから得られるため、従来型のエンジン車特有の「吹け上がるような」騒音がありません。特に市街地の低速走行や信号での発進時には、その違いが顕著でした。
この静粛性の向上は、単なる乗り心地の問題を超えて、車内での会話の質や音楽の楽しみ方にまで影響を与えていました。高速道路での長距離ドライブにおいても、エンジン音が気になりにくいため、会話や音楽を楽しみながらのドライブがより快適になりました。
広がる行動範囲
前モデルのセレナでも遠出はしていましたが、このe-powerモデルに乗り換えてからは、さらに長距離ドライブを楽しむ機会が増えました。それは単に「新しい車だから」という理由だけではなく、実際に快適性が向上したからこそだと実感しています。
例えば、九州一周の旅では、連日300キロメートル以上の距離を走りましたが、驚くほど疲労感が少なく、運転自体を楽しむ余裕がありました。これは、e-powerのスムーズな加速性能と静粛性、そして改良された足回りが組み合わさった結果だと思います。
また、電動パワースライドドアやハンズフリー操作など、利便性を高める装備も充実していたため、日常の使い勝手も向上。買い物や送迎など、日々の用事も以前より気軽にこなせるようになりました。
技術の進化を実感
このセレナe-powerを5年間にわたって使用する中で、自動車技術の進化を肌で感じることができました。特に印象的だったのは、部分的な自動運転技術「プロパイロット」の搭載です。高速道路での走行時に、先行車との車間距離を保ちながら車線内を自動で走行してくれる機能は、長距離ドライブでの負担を大きく軽減してくれました。
また、周囲360度を確認できるアラウンドビューモニターや、自動ブレーキなどの安全装備も充実しており、大型の車体にもかかわらず、安心して運転できる環境が整っていました。かつては高級車専用だった先進技術が、ファミリーカーにも浸透してきたことを実感した瞬間でもありました。
技術の進化は燃費性能にも表れていました。日産が「エコドライブ」と名付けたシステムは、運転者のアクセルワークやブレーキングをモニターし、より効率的な運転を促してくれます。このシステムを意識して運転することで、燃費はさらに向上。環境への負荷軽減と経済性を両立させる喜びも味わうことができました。
長く乗り続けた理由
このセレナe-powerを5年以上にわたって乗り続けた最大の理由は、単純にその「バランスの良さ」にありました。実用性と先進性、経済性と快適性、そのどれにも妥協がなく、日々の生活の中で「不満」を感じる場面がほとんどなかったのです。
特に、私のような様々な車を経験してきた人間にとって、「飽きがこない」というのは重要なポイントでした。時にはスポーツカーのような刺激的な走りを求めることもありますが、日常の相棒としては、長く付き合える飽きのこなさが何よりも大切だと感じていました。
結局、2023年に新型のC28型セレナが発表されるまでの5年間、このe-powerモデルを愛用し続けました。スポーツカーの情熱的な関係とは異なる、「信頼できるパートナー」としての関係が、このセレナとの間に築かれていたように思います。
おわりに
セレナe-powerとの5年間は、自動車というものが単なる「移動手段」から「生活の質を高めるパートナー」へと進化している証拠を日々実感する時間でした。燃費や環境性能、安全技術、そして快適性。これらすべての要素が高いレベルで融合した現代の自動車は、かつての車とは比較にならないほどの価値を提供してくれます。
振り返れば、私の車遍歴はスポーツカーのような「情熱的な関係」と、ミニバンのような「実用的な関係」を行き来するものでした。それぞれに異なる魅力があり、どちらも人生の各段階で大切な役割を果たしてくれたと感じています。
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