私と車の物語:NISSAN SERENA(2015-2018)

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日産セレナ

こんにちは、畑岡です。

前回はトヨタ・アイシスという、会社再建期を支えてくれた実用車について語りました。今回は、事業が再び安定軌道に乗ってきた時期に購入した、日産セレナ(C26型)についてお話したいと思います。

久しぶりの新車購入

日産セレナ

2015年、ようやく事業も再起動して安定してきたこともあり、約8年ぶりとなる新車購入を決意しました。選んだのは日産のミニバン、セレナC26でした。実は親類の知り合いが日産の営業をしており、その方からの購入となりました。

久しぶりの新車購入は、やはり特別な喜びがありました。ディーラーでカタログを眺めながらオプションを選ぶ時間、納車を待つわくわく感、そして新車の香りがする車に初めて乗り込んだ瞬間。これらすべてが、長らく忘れていた「新車オーナー」としての幸福感を思い出させてくれました。

特に嬉しかったのは、長い苦難の時期を経て、再び自分で選んだ新車を手に入れることができたという達成感です。それは単なる「モノの所有」を超えた、人生の節目を感じさせるものでした。

実用性という選択

ボディカラーは、あえて目立たないシルバーを選びました。過去にもスポーツカーなどで派手な色を選んだ経験がありましたが、今回の車選びは徹底的に「実用性」を重視したものでした。日常使いを第一に考え、長く付き合える飽きのこない色を選んだのです。

セレナC26型の最大の魅力は、その圧倒的な使い勝手の良さでした。両側スライドドア(電動式)、低い乗降ステップ、広々とした室内空間。これらの要素が組み合わさることで、人を乗せるのも荷物を積むのも、どんな場面でも対応できる「万能感」がありました。

実際、会社の備品の移動から、社員との移動、友人との小旅行まで、様々なシーンでこの車の便利さに助けられました。特に大人数での外出時には、セレナの3列シートが大活躍。最大8人まで乗れる空間は、グループでの移動に最適でした。

日本のミニバン文化を実感

セレナを所有するまで、正直なところ「なぜ日本でミニバンがこれほど人気なのか」という疑問を持っていました。しかし、実際に使ってみて、その理由が身をもって理解できたのです。

まず、日本の道路事情に適したサイズ感。セレナは全高が高いものの、全幅は比較的抑えられており、狭い道でも取り回しやすいというメリットがありました。また、駐車場や車庫入れの際も、全長をそれほど気にする必要がなく、日本の駐車環境にマッチしていました。

次に、その実用性の高さです。乗用車としての快適性を保ちながら、ワンボックスカーのような積載能力を備えている。この「二つの顔」を持つことが、日常生活のあらゆるシーンで役立つのです。

そして意外だったのは、高速道路などでの走行安定性の高さでした。高さのある車体ながら、意外にも風に煽られる感覚は少なく、長距離ドライブでも疲労が少ないと感じました。2.0リッターエンジンは決して力強くはありませんでしたが、日常使用には十分な性能を発揮してくれました。

家族的な存在

久しぶりの新車となった日産セレナ

セレナという車は、不思議と「家族的な存在感」を放つ車でした。それはおそらく、設計の段階から「家族の使いやすさ」を最優先に考えられているからでしょう。例えば、後部座席のスライド・リクライニング機能や、豊富な収納スペース、室内の明るさなど、細部にわたる配慮が感じられました。

私自身には子どもはいませんでしたが、友人家族との外出時などには、その家族思いの設計コンセプトが活きていると実感しました。子どもたちが喜ぶ広い室内空間や、親御さんが安心できる安全装備の充実ぶりは、ファミリーカーとしての本質を突いていたと思います。

特に印象的だったのは、ある日友人一家を乗せて海へ出かけた時のこと。帰りには子どもたちが後部座席で気持ちよく眠りこけていました。「静かな車内と安定した走りが、子どもたちの良質な睡眠環境を作り出している」と友人が言った言葉が、妙に心に残っています。

ミニバンならではの発見

セレナでの生活で得た意外な発見の一つは、「視界の良さ」による運転のしやすさでした。高い着座位置と大きなフロントガラスによる視界の広さは、街中での運転に大きな安心感をもたらしてくれました。特に交差点での左右確認がしやすく、日常の運転ストレスが大幅に軽減されていると感じました。

また、「荷物の積み方の自由度」も新鮮な発見でした。後部座席を様々な形にアレンジできるため、例えば長尺物や自転車などの大型荷物も、シートアレンジ次第で難なく積めるのです。これまでの車では「積めるかどうか」を気にしていたものが、セレナでは「どう積むか」を考える余裕が生まれました。

さらに、両側スライドドアの便利さは想像以上でした。狭い駐車場でもドアを大きく開けることなく乗り降りできるため、隣の車に気を遣う必要がありません。また、子どもや高齢者の乗り降りもスムーズで、改めて「日本の生活環境に最適化された設計」だと感心しました。

長く乗り続けた理由

セレナを4年間にわたって乗り続けた最大の理由は、単純にその「使いやすさ」にありました。日々の生活の中で、この車に不満を感じる場面がほとんどなかったのです。燃費も比較的良好で、メンテナンス費用も特に高くなく、経済的にも満足できるものでした。

また、次第に「ミニバンの運転」にも慣れ、その快適さを実感するようになりました。かつてスポーツカー好きだった私が、実用的なミニバンの魅力に目覚めるとは思ってもみませんでした。それは年齢を重ねるにつれて変化する「車に求めるもの」の変化を象徴しているのかもしれません。

最終的に2018年、次期型のセレナC27が発表された際に、その先進的な装備と安全性に惹かれて乗り換えることになりました。4年間という所有期間は、私の車遍歴の中では比較的長い部類に入ります。それだけ満足度の高い車だったということでしょう。

おわりに

セレナという車は、私に「実用性の喜び」を教えてくれました。かつてはスポーツカーの加速やハンドリングに興奮していた私が、使い勝手の良さや多目的な活用法に満足感を覚えるようになったのは、ある種の「成長」なのかもしれません。

車との付き合い方は、人生のステージや価値観によって変化するものです。若い頃は「走る喜び」を追求し、ビジネスの再建期には「コスパの良さ」を重視し、そして生活が落ち着いた時期には「使い勝手の良さ」に価値を見出す。そんな私自身の変化も、この車遍歴を通じて感じることができます。


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