私と車の物語:SUBARU REX FERIA Ⅱ(1991-1994)

畑岡宏光のREX

こんにちは、畑岡です。

本日から「車遍歴」というテーマで、私がこれまで所有してきた愛車たちについて語っていきたいと思います。第一回目は、人生で初めて手にした車、SUBARU REX FERIA Ⅱについてお話しします。

初めての愛車との出会い

大学3年生の夏、私は長年の夢だった「マイカー」を手に入れることを決意しました。限られた予算の中で探した結果、出会ったのが1992年製のSUBARU REX FERIA Ⅱでした。当時45万円という価格は学生だった私にとって決して安くはありませんでしたが、アルバイトで貯めた資金と親からの援助を合わせて、ようやく手に入れることができました。

REX FERIA Ⅱは、スバルが1989年から1992年にかけて生産していた軽自動車の上級グレードモデルです。660ccエンジンを搭載し、前輪駆動の5速マニュアルトランスミッションという仕様でした。今思えば、初心者にはやや挑戦的な車だったかもしれませんが、当時の私はマニュアル車に乗ることに強いこだわりがありました。

青春の相棒として

この車との思い出は数え切れないほどあります。友人たちとの旅行、サークルの合宿、買い物、そして何よりもドライブ。都会の喧騒を抜け出して、海岸線や山道を走ったことは今でも鮮明に覚えています。特に夏の夜、窓を全開にして高速道路を走った時の風の音と匂いは、私の青春そのものです。

当時の自動車工学は現在ほど洗練されておらず、今の車と比べると操作性や快適性では劣っていたことは否めません。しかし、そのアナログな操作感が逆に運転の楽しさを教えてくれました。マニュアルトランスミッションは、車と一体になって走る喜びを与えてくれたのです。

運転技術の向上

REX FERIA Ⅱとの日々は、私の運転技術向上にも大きく貢献しました。特に印象に残っているのは、ヒールアンドトゥの練習です。これは右足のかかとでブレーキを踏みながら、つま先でアクセルを踏むという高度なテクニックで、ダウンシフト時のエンジン回転数を合わせるために必要なスキルです。

当初はぎこちなかった操作も、毎日の通学や週末のドライブで徐々に上達していきました。大学の駐車場での発進時に失敗してエンストを起こし、後ろの車に迷惑をかけたこともあり

ました。しかし、そうした失敗経験も含めて、この車は私に運転の基本と奥深さを教えてくれました。

振り返れば、REX FERIA Ⅱでの運転経験が、その後の私の運転スタイルや車選びにも大きな影響を与えています。例えば、シフトチェンジの際のエンジン音や車体の挙動を感じる感覚は、この車で培われたものです。レスポンスの良さや操作感の直接性に対する好みも、この車が原点になっているでしょう。

別れの時

大学卒業という人生の節目と同時に、私はREX FERIA Ⅱとも別れを告げることになりました。社会人としての新生活に向けて、より実用的な車への乗り換えが必要だったのです。最後の日、洗車をしながら車体に触れた感触は今でも忘れられません。

約3年間で走った距離は4万キロ以上。故障も何度かありましたが、その度に自分で修理書を片手に対応したことで、車の構造や仕組みへの理解も深まりました。この車との時間は、単なる移動手段以上の価値を私に与えてくれたのです。

当時の軽自動車が教えてくれたこと

現代の自動車産業において、軽自動車は日本独自の文化として進化を続けています。1990年代初頭の軽自動車と現在のモデルを比較すると、安全性能や環境性能、快適性において隔世の感があります。しかし、REX FERIA Ⅱのような古い軽自動車には、今の車にはない魅力があったことも事実です。

例えば、車重の軽さがもたらす俊敏性や、シンプルな構造がもたらす運転の純粋さです。現代車のように電子制御が少なく、より直接的に車を操る感覚があったのです。それは時に不便さをもたらすこともありましたが、車と対話するような運転体験は貴重なものでした。

今でこそカーシェアリングやサブスクリプションなど、車の所有に対する概念も多様化していますが、初めて自分の車を持つ喜びというのは特別なものです。特に若い時期のその経験は、単なる移動手段以上の意味を持ちます。私にとってREX FERIA Ⅱは、青春の象徴であり、成長の証でもあったのです。

おわりに

今でも時々、道で同じモデルを見かけることがあります。その度に懐かしさと共に、不思議な高揚感を覚えます。初めての車との思い出は、何十年経っても色褪せることはないようです。

次回は、社会人になって初めて購入した新車について語りたいと思います。

それではまた。

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