【番外編】なぜか掲載を忘れていた車(1)McLaren570S Spyder シシリアンイエロー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは、畑岡です。

これまでの車遍歴連載の中で、なぜか触れることを忘れていた特別な一台があります。それは私が所有した2台目のマクラーレン570Sスパイダー、シシリアンイエローのモデルです。今回の番外編では、このスペシャルなスーパーカーとの思い出を振り返りたいと思います。

夢のトリプルスーパーカー体制

多くの車好きが憧れる「スーパーカーを所有する」という夢。私はさらに欲張りな夢を持っていました。それは「複数のスーパーカーを同時に所有する」ということ。特に、異なるブランド、異なる特性を持つスーパーカーを3台体制で所有するという野望です。

その夢を実現するために頑張ってオーダーしたのが、このシシリアンイエローのマクラーレン570Sスパイダーでした。このオーダーにより、マクラーレン765LT、フェラーリ488GTB、そしてマクラーレン570Sスパイダーという、夢のスーパーカー3台体制が整ったのです。

色彩のハーモニー

この3台のスーパーカーには、色彩的にも私のこだわりが反映されていました。765LTがオレンジ、488GTBがレッド、そして570Sスパイダーがイエロー。スーパーカーの世界では伝統的とも言えるこの3色が揃ったことで、ガレージはまるでレインボーのように鮮やかに彩られました。

特にシシリアンイエローは、マクラーレンの中でも特別な輝きを持つカラーです。太陽の下では眩しいほどの明るさを放ち、夕暮れ時には温かみのあるゴールドのような色合いに変化します。個性的でありながらも品のある黄色は、570Sスパイダーのデザインを最大限に引き立てていました。

目的に応じた使い分け

三台のスーパーカーは、それぞれ異なる目的に応じて使い分けていました。765LTはその極限のパフォーマンスを活かしてサーキット走行用。488GTBはワインディングロードなどでのドライブを楽しむ用。そして570Sスパイダーは、オープンエアを楽しむためのモデルとして活躍しました。

特に春や秋の気候の良い時期には、屋根を開けて都内や湘南エリアをドライブすることが何よりの楽しみでした。風を感じながらのドライブは、クーペモデルでは味わえない特別な開放感があります。また、レーシングの血統を持ちながらも比較的乗り心地が良く、長距離ドライブでも疲労が少ないのも、このモデルの魅力でした。

都会での苦労

しかし、都内で3台ものスーパーカーを所有することには、現実的な苦労も伴いました。最大の課題は駐車場の確保です。都心部では広いガレージを持つ住居は限られており、また賃貸の駐車場も大型の車両や高額車を断られることが少なくありません。

最終的には少し離れた場所に専用のガレージを借りることで解決しましたが、使いたい時にすぐ乗れないというジレンマもありました。また、メンテナンスや車検、保険など、3台分の管理コストも決して軽いものではありませんでした。

一年間の贅沢

このスーパーカー3台体制は、約1年間維持することができました。経済的な観点からは明らかに「行き過ぎ」ていたことは認めざるを得ませんが、自動車愛好家として、それは人生に一度あるかないかの贅沢な経験でした。

朝目覚めた時に「今日はどのスーパーカーに乗ろうか」と考える時間、友人たちと集まってそれぞれのエンジン音を聞き比べる瞬間、違う特性を持つ3台を乗り比べることで見えてくる各車の個性。これらの体験は、車好きとしての私の人生において最も充実した時期の一つとなりました。

McLaren 570S Spyderのドアは、マクラーレンの象徴的なディヘドラルドア(蝶のように上向きに開くドア)を採用しており、これはブランドのDNAの一部として非常に印象的な特徴です。

このドアシステムについての主な見解:

デザイン面での優位性 ディヘドラルドアは単なる機能性を超えて、マクラーレンの技術力とプレミアム感を象徴しています。開閉時の劇的な視覚効果は、所有する喜びを大きく高める要素といえるでしょう。

実用性の考慮 狭い駐車場での乗降がしやすく、従来のドアよりも開口部が広く取れるため、スポーツカーとしては乗り降りが比較的楽になります。ただし、天井の低い場所では開閉に制限が生じる場合があります。

技術的な洗練度 油圧アシスト機構により、重量のあるドアでもスムーズな開閉が可能で、マクラーレンの工学技術の高さが表れています。

メンテナンス面 複雑な機構のため、一般的なヒンジドアと比べて維持費用は高くなる傾向がありますが、これはこのクラスの車両では想定される範囲内です。

570S Spyderのディヘドラルドアは、機能性とスタイルを両立させた優れた設計だと評価できます。

おわりに

シシリアンイエローのマクラーレン570Sスパイダーは、スーパーカー3台体制という夢を完成させる重要なピースでした。その鮮やかな黄色と心地よいオープンエアの走りは、今でも鮮明に記憶に残っています。

結局のところ、生活の現実とのバランスから、この贅沢な3台体制は長くは続きませんでした。しかし、その短い期間でさえ、一人の車好きとして最高の贅沢を味わうことができたと心から感じています。

そして今、これを書きながら思うのは、車への情熱が時に非合理的な選択を促すことがあっても、それがもたらす喜びや思い出は、人生を豊かにする大切な要素なのだということ。無謀とも思える夢に向かって努力し、それを実現できた経験は、車好きとしての私の誇りでもあります。

次回の番外編では、また別の「掲載を忘れていた車」についてお話しできればと思います。それではまた。


【この車のカタログスペックはコチラ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加