
こんにちは、畑岡です。
前回はポルシェ718ケイマンGT4について、期待と現実のギャップをお話ししました。今回は一転して、私の車人生において間違いなく最高の一台となった、マクラーレン765LTについて綴りたいと思います。
限定車との運命的な出会い
マクラーレンというブランドとの付き合いは、540C、570Sスパイダーと短期間で複数台を購入し、メーカー主催のイベントにも積極的に参加するという濃密なものでした。そんな中、世界限定765台のみが生産される特別なモデル「765LT」の枠が私に回ってきたのです。
この限定枠を獲得できたのは、ひとえにマクラーレンブランドとの関係性を築いてきた結果だと感じています。超限定モデルが「自分だけの一台」になるというスーパーカーオーナーとしての夢が、まさに現実となった瞬間でした。
圧倒的なスペックと性能
765LTの最大の魅力は、その圧倒的なスペックにあります。わずか1350kgという超軽量ボディ(驚くべきことにボクスターよりも100kg軽い!)に、最高出力765馬力の4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載。そのパワーウェイトレシオは市販車としてトップクラスで、0-100km/h加速は公称値で2.8秒という超絶的な加速性能を持っていました。
体感としては、アクセルを踏み込んだ瞬間から背中を強く押し出されるような加速感があり、その勢いは速度が上がるにつれてさらに増していくという、まるでレーシングカーのような特性を持っていました。サーキットだけでなく公道でも、そのポテンシャルの一部を引き出すだけで十分な興奮を味わうことができました。
レーシングカーのような空力性能
765LTの驚異的な性能は、パワーだけではなく、その空力設計にも大きな特徴があります。特に印象的だったのは、リアに装備された可動式ウイングの挙動です。ブレーキング時にはこのウイングがほぼ90度に立ち上がり、強力なエアブレーキとして機能。これにより、高
速からのフルブレーキング時の安定性は通常のスーパーカーとは一線を画す領域にありました。
この特性のおかげで、富士スピードウェイでのサーキット走行では1分48秒弱というタイムを記録することができました。これは一般車両としては極めて速いタイムであり、765LTの卓越した性能なくしては到達できないものでした。サーキットを走るたびに、この車が市販車としての枠を超えた存在であることを実感させられました。
カスタマイズの喜び
765LTの醍醐味のひとつは、自分好みにカスタマイズして新車で注文できる点にありました。私は外装から内装、さらにはカーボンパーツの選択まで、細部にわたってこだわりました。マクラーレンの提供するオプションだけでなく、MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)のサービスを活用することで、世界でたった一台の特別な765LTを創り上げることができたのです。
オーダーから納車まで約8ヶ月という期間がありましたが、その間の期待と妄想は、子供のころに憧れたスーパーカーへの夢が現実になるような、特別な時間でした。完成した車を初めて目にした時の感動は、今でも鮮明に記憶に残っています。
最高の車両ラインナップ
765LTを所有していた時期は、私の車遍歴の中でも最もラインナップが充実していた黄金期でした。フェラーリ488GTB、マクラーレン570Sスパイダー、ポルシェ718ボクスターS、そしてポルシェ・マカンGTSという、バラエティに富んだ構成になっていました。
中でも765LTは、そのコレクションの中核として存在感を放っていました。週末のサーキット走行ではその圧倒的な性能を発揮し、特別な日のドライブでは唯一無二の存在感で周囲の視線を集め、時には大きなイベントにも参加して多くの自動車愛好家との交流を生み出してくれました。
それぞれの車に個性があり、場面に応じて使い分けることができたのは、車好きとしての至福の時間でした。多くの人が「どれか一台を選ぶなら」と問われるところ、実際にそれらを同時に所有できていたことは、今思えば夢のような贅沢だったと感じています。
惜しまれる別れ
2023年、会社の業績悪化に伴い、765LTを含む複数の愛車と別れを告げることになりました。経済的な理由とはいえ、特に765LTとの別れは辛いものでした。あまりにも特別な車だっただけに、今でも「すぐにでも買い戻したい」と思うほどの存在です。
最後のドライブでは、この車との思い出の場所を巡るように計画しました。お気に入りのワインディングロード、何度もタイムアタックをした富士スピードウェイ、そして初めて765LTで訪れた海岸線。それぞれの場所で最後の走りを楽しみながら、この特別な車との時間に感謝を捧げました。
車を手放す時、感傷的になりすぎるのは良くないと思いつつも、この765LTに関しては別格でした。次のオーナーに引き渡す際、「大切にしてください」と言葉をかけずにはいられませんでした。
人生を豊かにする存在
765LTとの約2年間は、私の車人生において最も充実した日々でした。単なる「所有」を超えて、この車との関係は私の人生そのものを豊かにしてくれたと感じています。
サーキットでの限界への挑戦、仲間との走行会、週末のドライブ、そして何気ない日常の中での小さな喜び。765LTはそのすべてに特別な彩りを添えてくれました。
こういう素晴らしい車を、自分好みにカスタマイズして新車でオーダーできたことは、本当に幸せなことだったと心から感じています。世界中の車好きが憧れるような特別な一台を所有できた経験は、たとえ今はその車がなくとも、私の心の中に消えない記憶として残り続けています。
おわりに
マクラーレン765LTは、私の車遍歴において最高峰に位置する一台でした。その卓越した性能と特別感は、今後出会うどんな車と比較しても、おそらく並ぶものはないでしょう。
しかし、この車との思い出があるからこそ、これからも新たな出会いを楽しむことができます。「あの時の765LTを超える車に出会えるだろうか」という好奇心が、私の車好きとしての情熱を絶やさず保ち続けてくれるのです。
いつか再び765LTのようなスペシャルな車との出会いがあることを夢見ながら、これからも様々な車との関係を大切にしていきたいと思います。
それではまた、次回のブログでお会いしましょう。
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