はじめに – スーパーカーブーム世代として

初めまして、畑岡宏光と申します。1971年生まれの私は、まさにスーパーカーブーム世代ど真ん中で育った人間です。1970年代後半から1980年代前半にかけて、日本中を席巻したスーパーカーブーム。当時の少年たちがランボルギーニ・カウンタックやフェラーリ・テスタロッサに心を奪われたように、私もその魅力に取り憑かれた一人でした。

あの頃のことを思い出すと、今でも胸が熱くなります。友達と一緒にスーパーカー消しゴムを集め、カードを交換し合い、どの車が一番速いかを真剣に議論していました。フェラーリの赤、ランボルギーニの黄色、ポルシェの銀色──それぞれの車が持つ独特の美しさと力強さに、幼心ながら深く感動していたのです。

当時の私たちにとって、スーパーカーは単なる乗り物ではありませんでした。それは夢そのものであり、憧れの象徴であり、大人になったら絶対に手に入れたいと心から願う存在でした。テレビで見るサーキットでの激しいバトル、雑誌で見る美しいボディライン、そして何より、エンジン音の迫力。これらすべてが幼い私の心に深く刻まれ、後の人生を決定づけることになったのです。

特に印象深かったのは、近所の車屋さんに偶然展示されていた本物のフェラーリを見た瞬間でした。写真や映像で見ていたものとは全く違う、オーラのような存在感。艶やかな赤いボディ、精密に作り込まれた内装、そして何より、そこに佇むだけで周囲の空気を変えてしまう圧倒的な存在感。その瞬間、私の中で「いつか必ずこの車に乗る」という強い決意が生まれました。

幼少期 – 動くものへの憧れの原点

畑岡宏光の幼少時代。このころから車がすきだったようです。
幼少の頃から、私は車が大好きでした。ミニカーはもちろんのこと、電動乗用玩具にも夢中になっていました。トミカやチョロQを何台も集め、部屋中に道路を作って走らせることが日課でした。母親が買い物に行くたびに、必ずといっていいほどおもちゃ売り場でミニカーをねだっていたものです。

特に電動乗用玩具に乗っているときの感覚は、今思えば本物の車を運転する醍醐味の原点だったのかもしれません。あの小さなハンドルを握り、アクセルペダルを踏んで前進する瞬間の爽快感。方向を変える際の微妙なハンドル操作。スピードの調整による加速感の変化。まだ幼かった私にとって、それは単なる遊びではなく、「動くものを操作する快感」を初めて体験した瞬間でした。

近所の公園で電動乗用玩具に乗っているとき、私は常に「本物の車を運転している」つもりでした。カーブを攻めるときの車体の傾き、ブレーキをかけるときの慣性力、そして思い通りのラインを描けたときの満足感。これらの感覚は、後に本格的な自動車を運転するようになってからも、私の中に確実に息づいています。

この感覚は、車だけでなく、動くものを操作することすべてに対する私の興味の原点となりました。自転車での颯爽とした走行感、後にバイクで味わった風を切る爽快感、そして現在に至るまで続く自動車運転への情熱。すべては、あの小さな電動乗用玩具での体験から始まったのです。

さらに、私の車への愛情を育んだのは、父親の影響も大きかったと思います。父は特別な車好きというわけではありませんでしたが、車の運転が非常に上手で、いつも安全で快適なドライブを提供してくれました。助手席に座って父の運転を見ていると、車という機械を意のままに操る技術の美しさに心を奪われていました。スムーズなギアチェンジ、的確な車線変更、そして駐車場での完璧な車庫入れ。これらすべてが、私にとって憧れの技術でした。

運転への情熱 – 仕事のための人生という逆転の発想

現在の私にとって、車で走行することは単なる趣味を超えた存在です。正直に申し上げると、車で走ることが好きすぎて、そのために仕事をしているようなものなのです。多くの人が仕事のために車を使うのに対し、私は車に乗るために仕事をしている──そんな逆転した関係にあります。

この発想の転換は、私の人生観を大きく変えました。一般的には、生活のために働き、その結果として趣味を楽しむという構図が普通です。しかし私の場合、車に乗る時間を最大化するために、そして理想の車を手に入れるために、仕事のスタイルや内容を決めています。これは一見すると本末転倒に見えるかもしれませんが、結果として非常に充実した人生を送ることができています。

車を正確に操縦することに感じる醍醐味は、年齢と共により深みを増しています。若い頃は単純にスピードや加速力に魅了されていましたが、今では車との対話、機械との一体感、そして完璧なドライビングラインを描くことの美しさに心を奪われています。

例えば、高速道路でのクルージング。単に目的地に向かうだけでなく、エンジンの回転数を最適に保ち、燃費と走行性能のバランスを取りながら、交通の流れを読んで安全かつスムーズに走行する。この一連の操作が完璧に決まったとき、言葉では表現できない深い満足感があります。

また、ワインディングロードでの走行では、車の限界性能を理解し、路面状況を瞬時に判断し、最適なブレーキングポイントとアクセルワークでコーナーを攻める。この時の集中力と、車との一体感は、まさに至福の瞬間です。車が私の手足のように反応し、思い描いたラインを完璧にトレースできたとき、これ以上の喜びはありません。

この情熱は年齢を重ねるごとに強くなっています。免許を取得してから34年間で33台の車に乗ってきましたが、特に近年その傾向が顕著です。1991年から2015年までの25年間で12台だったのに対し、2020年から2025年までの直近5年間で20台と、明らかに車の趣味が加速しています。

これは単に経済的余裕ができたからではありません。車に対する理解が深まり、それぞれの車の個性や特徴をより深く味わえるようになったからです。同じメーカーの車でも、モデルや年式によって全く異なる性格を持っています。その微細な違いを感じ取り、それぞれの車の良さを最大限に引き出すことに、大きな喜びを感じているのです。

私の車遍歴 – 33台が語る人生の軌跡

免許取得から現在まで、私が乗り継いできた33台の車たちを振り返ってみると、それぞれに思い出深いエピソードがあり、私の人生の各段階を象徴する存在でもありました。

初期時代(1991-1999年)- 夢への第一歩

最初の愛車はSUBARU REX FERIA Ⅱでした。1991年から1994年まで乗ったこの小さな軽自動車は、私の車人生の出発点でした。660ccの小さなエンジンでしたが、初めて自分の車を持った喜びは何物にも代えがたいものでした。毎朝車に乗り込むとき、エンジンをかけるとき、そして運転しているときの全てが新鮮で、車を操縦することの楽しさを教えてくれた恩師のような存在です。

REXでの思い出は数え切れません。友人たちとのドライブ、恋人とのデート、一人での夜のドライブ。小さな車体ながら、私に多くの経験と喜びを与えてくれました。特に印象深いのは、初めて高速道路を走ったときの感動です。それまで一般道しか走ったことがなかった私にとって、高速道路でのクルージングは別世界でした。

続くMITSUBISHI GALANT VR-G TURINGでは、より本格的な走りの楽しさを知りました。2000ccのエンジンは、軽自動車とは全く異なるパワーとトルクを持っており、加速の醍醐味を初めて本格的に体験できました。この車で初めてサーキット走行も体験し、車の性能を限界まで引き出すことの快感を知りました。

そして1999年、ついに念願のMAZDA ROADSTERを手に入れました。オープンカーの爽快感と、ピュアスポーツカーの操縦性に心から感動したものです。ROADSTERでの体験は、私の車観を大きく変えました。それまでは単に速さや加速力に注目していましたが、ROADSTERを通じて、車とドライバーとの一体感の重要性を学びました。

軽量なボディ、低重心、そして絶妙なハンドリング。ROADSTERは私に「車は速さだけではない」ということを教えてくれました。コーナリング時の自然なロール、アクセルワークに対する素直な反応、そしてオープンエアでの走行感覚。これらすべてが、後の車選びの基準となりました。

ポルシェとの運命的な出会い(2003-2007年)

2003年、私の車人生に大きな転機が訪れました。PORSCHE 911 Type996の購入です。これまでの車とは次元の違う性能と品質に、改めてポルシェというブランドの凄さを実感しました。

911の運転席に座った瞬間、すべてが変わりました。精密に作り込まれたインテリア、手に吸い付くようなステアリング、そして何より、エンジンをかけた瞬間の水平対向6気筒エンジンの独特なサウンд。これは単なる移動手段ではなく、精密機械であり、芸術品でもありました。

996での走行体験は、それまでの車とは全く異なるものでした。高速道路でのクルージングでは、どこまでも伸びていくような加速感と、高速域での安定性に驚嘆しました。ワインディングロードでは、リアエンジンレイアウト特有のピーキーさを感じながらも、限界を超えてからの挙動の予測しやすさに感動しました。

その後、PEUGEOT 206という異色の選択を経て、PORSCHE BOXSTER【986】を購入しました。911とは異なるミッドシップレイアウトの魅力を存分に味わいました。BOXSTERのハンドリングは、まさに「車と対話する」という表現がぴったりでした。コーナーへのアプローチ、ブレーキング、そしてアクセルワーク。すべての操作に対して車が応答し、意図した通りのラインを描くことができました。

SUBARU LEGACY TOURING WAGONという実用車を挟んで、2006年にはPORSCHE 911TURBO Type996を購入しました。NAエンジンの911とは全く異なるターボエンジンの特性に、新たな運転の楽しさを発見しました。低回転域でのトルクの太さ、ターボラグからの一気の加速感、そして高速域でのパフォーマンス。ターボエンジンならではの魅力に完全に魅了されました。

フェラーリという夢の実現(2006年-2023年)

2006年、ついにFERRARI F430F1を手に入れました。スーパーカーブーム世代として育った私にとって、フェラーリの所有は長年の夢でした。V8エンジンの咆哮、独特の加速感、そして何より「フェラーリに乗っている」という事実そのものに、言葉にできない感動を覚えました。

F430の運転は、それまでのどの車とも異なる体験でした。4.3リッターV8エンジンの奏でる美しいサウンド、8000回転を超えるまで一気に駆け上がる気持ちの良い加速感、そしてF1由来の技術が随所に感じられる走行性能。これはまさに「走る芸術品」でした。

しかし、F430で最も印象深かったのは、その所有感でした。フェラーリを所有するということは、単に高性能な車を手に入れるということではありません。長い歴史と伝統を持つブランドの一部になるということ、世界中のフェラーリオーナーたちとの絆を感じるということでもありました。

2017年には念願のFERRARI 488GTBを購入しました。F430から10年以上の技術進歩を感じさせる488GTBは、よりモダンで洗練された走行性能を持っていました。3.9リッターV8ツインターボエンジンは、NAエンジンのF430とは全く異なる特性を持ちながらも、間違いなくフェラーリらしいキャラクターを保持していました。

488GTBでの走行は、まさに現代スーパーカーの到達点を感じさせるものでした。電子制御システムによる高次元での安全性と走行性能の両立、どんな状況でも安心して性能を引き出せる設計思想、そして何より、フェラーリらしい情熱的なキャラクター。これらすべてが、現代の技術と伝統の融合として結実していました。

ファミリーカーという現実との両立(2011-2023年)

家族を持った私は、TOYOTA ISISやNISSAN SERENAといったファミリーカーも必要となりました。しかし、実用性を重視したこれらの車でも、運転の楽しさを見つけることができました。車を操縦する喜びは、車種を問わず存在するものだと実感したのです。

TOYOTA ISISでは、スポーツカーとは全く異なる運転の楽しさを発見しました。家族の安全と快適性を最優先にした設計思想の中で、いかに効率的で安全な運転をするか。これは新たなドライビングスキルの習得でもありました。大きな車体を正確にコントロールし、乗員の快適性を保ちながら目的地まで安全に到達する。これもまた、車を操縦することの醍醐味の一つでした。

NISSAN SERENAでは、e-POWERシステムという新しい技術に触れることができました。電気モーターによる静かで滑らかな加速感、回生ブレーキによる独特の減速感、そして燃費効率の良さ。これまでのガソリンエンジン車とは全く異なる運転感覚でしたが、これもまた新しい運転の楽しさでした。

現在も所有しているTOYOTA HIACEは、完全に実用車ですが、大型車ならではの運転の面白さがあります。車高の高さからくる視点の違い、車重による慣性の大きさ、そして積載能力の高さ。これらすべてが、乗用車とは異なる運転技術を要求し、新たなスキルの習得機会を提供してくれています。

現代スーパーカーとの邂逅(2017年-現在)

近年は、LAMBORGHINI HURACAN LP610-4、MCLAREN各モデル、ALPINE A110など、多様なスーパーカー・スポーツカーを所有してきました。それぞれが異なる個性を持ち、異なる運転の楽しさを提供してくれます。

LAMBORGHINI HURACANでは、フェラーリとは全く異なるイタリアンスーパーカーの魅力を体験しました。より攻撃的で野性的なキャラクター、V10エンジンの豪快なサウンド、そしてアウディ傘下となった後の高い品質と信頼性。これらすべてが、現代ランボルギーニの魅力でした。

MCLAREN 540C、570S SPIDER、765LTといったマクラーレンモデルでは、イギリスの技術力の高さを実感しました。F1で培われた技術が惜しみなく投入された車作り、カーボンファイバーモノコックによる軽量化と高剛性の両立、そして何より、純粋に速さを追求した設計思想。これらすべてが、マクラーレンならではの魅力でした。

特にMCLAREN 765LTは、私がこれまで所有した車の中でも最もエキサイティングな一台でした。750馬力を超えるパワー、軽量化された車体、そしてサーキット走行を前提とした足回り。これは単なる速い車ではなく、ドライバーに極限の集中力を要求する、真のスーパーカーでした。

ALPINE A110S、A110GTでは、フランス車ならではの独特な魅力を体験しました。軽量なアルミボディ、リアミッドシップレイアウト、そして何より、スポーツカーでありながらも日常的に使える快適性。これらのバランスの良さは、まさにフランス車らしい洗練された設計思想の結果でした。

現在の愛車PORSCHE CAYMAN GT4RSは、私がこれまで所有した車の中でも特別な位置を占めています。自然吸気の4.0リッター水平対向6気筒エンジン、サーキット走行を前提とした足回り、そして何より、ポルシェが持つレーシングカーのDNAが色濃く反映された設計思想。これは単なる速い車ではなく、ドライバーとの完璧な一体感を実現した、芸術品のような存在です。

未来への夢 – カラーコーディネートされたガレージという理想

現在、私は将来のガレージ構成について壮大な夢を描いています。色別に車を揃えるという、少し変わった構想です。これは単なる見た目の美しさを追求するものではなく、それぞれの色が持つ意味や、車の性格との関連性を考慮した、深い思索の結果です。

レッド系統では、Ferrari 488GTB、Ferrari F12、Porsche Macan GTSを想定しています。赤という色は、情熱、スピード、そして勇気を象徴します。フェラーリの赤は、レーシングの歴史と伝統を表現し、ポルシェの赤は、スポーツカーとしての純粋性を表現しています。これらの車を同じガレージに並べることで、赤という色が持つエネルギーと情熱を視覚的に表現したいと考えています。

オレンジ系統のMcLaren 765LT、McLaren Artura Spider、Porsche 718Boxster Sは、より現代的で革新的な技術を象徴しています。オレンジという色は、創造性と革新を表現し、これらの車が持つ最新技術と未来への志向性を表現しています。マクラーレンのパパイヤオレンジは、同ブランドのF1での歴史を彷彿とさせ、ポルシェのオレンジは、冒険心と挑戦への意欲を表現しています。

イエロー系統のLamborghini Huracan Evo、Alpine A110S、Porsche 718Cayman GT4は、純粋な喜びと楽しさを象徴しています。黄色という色は、太陽のエネルギーと生命力を表現し、これらの車が提供する純粋な運転の楽しさを視覚的に表現しています。ランボルギーニの黄色は、イタリアの陽光を思わせ、アルピーヌの黄色は、フランスアルプスの美しさを、ポルシェの黄色は、スポーツカーとしての純粋性を表現しています。

色未定のPorsche 911Carrera(992)とLEXUS LC500Cについては、まだ具体的な構想を練っているところです。911については、伝統的なシルバーメタリックか、あるいは現代的なブルー系統も考えています。LC500Cについては、日本車らしい上品な色合いを検討しています。

この色別構想は単なる妄想ではありません。過去に所有したスーパーカーの多くは、実際にノートに書いていたものでした。思考は現実化するということを、身をもって体験してきたのです。目標を明確にし、それに向かって努力を続けることで、夢は必ず実現できると信じています。

車の哲学 – 乗ってナンボという信念

基本的に、車は乗ってナンボだと考えています。そのため、ミュージアムアイテム的なハイパーカーやクラシックカーよりも、実際に走りを楽しめる車を選んでいます。車は美術品ではありません。エンジンをかけ、路上を走り、ドライバーと対話をしてこそ、その真価を発揮するものです。

この考えは、私の車選びの基準にも大きく影響しています。どんなに美しく、どんなに希少価値が高くても、実際に運転して楽しめない車には興味がありません。逆に、見た目は地味でも、運転していて楽しい車であれば、積極的に選択します。

例えば、ALPINE A110という選択も、この哲学の現れです。フェラーリやランボルギーニと比べれば知名度は劣りますが、軽量なボディと絶妙なハンドリングバランスは、運転の楽しさという観点では決して劣りません。むしろ、日常的に運転できる性能バランスという点では、より実用的な選択かもしれません。

また、仕事の動画撮影で使うことがほとんどという現実も、この哲学に合致しています。車は所有することが目的ではなく、使うことが目的です。動画撮影という形であっても、実際に車を動かし、その性能を活用しているのであれば、それは正しい車の使い方だと思います。

健康管理 – 長く運転を続けるための戦略

私には明確な目標があります。75歳まではレーシングカートを続け、85歳までは車の運転を続けたいと望んでいます。そのため、現在週に3回ジムに通い、体力維持に努めています。

この目標設定は、単なる希望的観測ではありません。現実的な健康管理計画に基づいた、実現可能な目標です。運転という行為は、想像以上に体力と集中力を要求します。特に高性能車を安全に、そして楽しく運転するためには、優れた反射神経と体力が不可欠です。

75歳までレーシングカートを続けるという目標は、特に厳しいものです。カートレースは、一般道での運転とは比較にならないほどの体力と集中力を要求します。高Gでのコーナリング時には、首や体幹の筋力が重要になりますし、長時間のレース中は持久力も必要です。

そのため、ジムでのトレーニングは多岐にわたります。有酸素運動による心肺機能の維持、筋力トレーニングによる全身の筋力維持、そして反射神経や動体視力を鍛えるための特殊なトレーニングも取り入れています。

また、食事管理も重要な要素です。運転に必要な集中力を維持するためには、血糖値の安定が重要ですし、長時間の運転に耐えうる体力を維持するためには、適切な栄養摂取が欠かせません。

85歳まで運転を続けるという目標についても、同様の戦略的アプローチを取っています。認知機能の維持、視力の保持、反射神経の維持など、運転に必要な能力を総合的に維持するための取り組みを続けています。

ビジネスへの展開 – 夢の共有という新たな挑戦

現在、私はこれらの愛車たちをカーシェアリングで使えるようなビジネスへの展開を考えています。リゾート開発も含めた将来の夢を大きく描いているところです。

この構想は、単なるビジネスチャンスとしてではなく、車への愛情を多くの人と分かち合いたいという純粋な願いから生まれました。多くの人にとって、スーパーカーやスポーツカーは憧れの存在ですが、実際に所有するのは経済的にも実用的にも難しいものです。しかし、カーシェアリングという形であれば、より多くの人に車の運転の醍醐味を体験してもらえます。

私が感じている「車を操縦する喜び」を、一人でも多くの人と分かち合いたいのです。フェラーリのV8エンジンの咆哮、ポルシェの精密なハンドリング、ランボルギーニの豪快な加速感。これらすべてを体験することで、その人の人生に新たな彩りを加えることができるかもしれません。

リゾート開発との組み合わせも、この構想の重要な要素です。美しい自然環境の中で、高性能車を思い切り走らせることができる環境を提供したいと考えています。日本の美しい山間部や海岸線で、安全にスポーツドライビングを楽しめる環境を整備し、宿泊施設と組み合わせたトータルな体験を提供したいのです。

想像してみてください。朝、美しい景色の中で目覚め、その日の気分に合わせてガレージから愛車を選ぶ。Ferrari 488GTBで海岸線をクルージングするもよし、Porsche GT4RSで山道のワインディングを攻めるもよし、Alpine A110で優雅に温泉地まで足を伸ばすもよし。そんな贅沢な時間を、多くの人に提供できれば、きっと素晴らしい体験になるはずです。

このビジネス構想は、単なる営利目的ではありません。車文化の普及と発展、そして日本の美しい自然環境の活用という、社会的意義も含んでいます。海外から訪れる車愛好家たちにも、日本の道路環境と車文化の素晴らしさを体験してもらい、国際的な車文化の交流拠点としても機能させたいと考えています。

特に重要視しているのは、安全性の確保です。高性能車を一般の方に提供する以上、徹底した安全管理と教育プログラムが必要です。プロのインストラクターによる指導、段階的なスキルアップ制度、そして万全の保険体制。これらすべてを整備することで、安心して車の醍醐味を体験してもらえる環境を作りたいのです。

各車種から学んだ教訓 – 多様性こそが豊かさ

33台の車を乗り継いできた経験から学んだ最も重要なことは、車の多様性の素晴らしさです。それぞれの車には独自の個性があり、異なる運転の楽しさを提供してくれます。この多様性こそが、車という文化の豊かさを象徴しているのです。

ドイツ車からは、精密な工学技術と品質への妥協のない姿勢を学びました。ポルシェの完璧なまでのバランス、その設計思想に込められた哲学は、私の車に対する見方を根本的に変えました。機能美という概念、無駄を削ぎ落とした美しさ、そして何十年経っても色褪せることのないデザインの普遍性。これらすべてが、ドイツ車の魅力でした。

イタリア車からは、情熱と芸術性の融合を学びました。フェラーリの美しいボディライン、ランボルギーニの攻撃的なデザイン、そして何より、運転することの純粋な喜びを追求する姿勢。イタリア車は、車が単なる移動手段ではなく、人生を豊かにする芸術品であることを教えてくれました。

イギリス車からは、伝統と革新の絶妙なバランスを学びました。マクラーレンの先進技術は、F1で培われた最先端の工学技術を市販車に落とし込んだものですが、同時にイギリスの職人気質も感じられます。性能への飽くなき追求と、品質への責任感。これらが融合したとき、真に優れた車が生まれるのです。

フランス車からは、独創性と洗練された美意識を学びました。アルピーヌの軽やかさは、フランス人の生活に対する考え方を反映しているように思います。実用性を保ちながらも、決して退屈にはならない。日常の中に特別な時間を作り出す能力。これこそが、フランス車の真髄だと感じています。

日本車からは、信頼性と実用性の重要さを再認識しました。トヨタやニッサンの車は、決して派手ではありませんが、日々の生活を支える確実性があります。故障が少なく、燃費が良く、誰でも安心して運転できる。これらの美徳は、車の本質的な価値の一つです。

それぞれの国の文化や価値観が車作りに反映されていることを実感し、同時に、だからこそ車の世界は豊かで面白いのだということを深く理解しました。一つのメーカー、一つの国の車だけに固執するのではなく、様々な車を体験することで、車という文化の全体像を理解できるのです。

レーシングカートへの憧れ – 原点回帰への願望

75歳まで続けたいと願っているレーシングカートは、私にとって車の楽しさの原点回帰を意味しています。カートレースは、車の性能に頼ることなく、純粋にドライバーの技術が勝敗を決める世界です。そこには、車を操縦することの最も純粋な喜びがあります。

レーシングカートの魅力は、そのシンプルさにあります。複雑な電子制御システムもなく、パワーステアリングもない。エンジン、シャシー、タイヤ、そしてドライバー。これだけの要素で構成される極めてシンプルな機械ですが、それゆえに運転技術の差が如実に現れます。

カートで速く走るためには、完璧なドライビングラインの習得、精密なブレーキング技術、そして何より、限界ギリギリでのコントロール技術が必要です。これらのスキルは、一般道での運転技術向上にも直結します。カートで培った技術は、どんな車を運転するときにも活かされるのです。

また、カートレースには年齢や経験に関係なく楽しめるという魅力もあります。プロのレーサーから週末愛好家まで、同じトラックで真剣勝負を楽しむことができます。75歳という年齢まで続けたいと考えているのは、この平等性と純粋性に魅力を感じているからです。

現在でも時々カートに乗る機会がありますが、その度に運転技術の奥深さを実感します。一見シンプルに見えるカートでも、セッティングの奥深さ、ドライビング技術の繊細さ、そして何より、他の競技者との真剣勝負の面白さ。これらすべてが、カートの魅力です。

車を通じた人生哲学 – 完璧を追求する美学

33台の車と過ごしてきた年月を振り返ると、車を通じて多くの人生哲学を学んできたことに気づきます。車を正確に操縦することの醍醐味は、単に技術的な満足感を超えて、人生そのものに対する姿勢にも影響を与えています。

完璧なドライビングラインを描くためには、事前の計画、瞬時の判断、そして的確な実行が必要です。これは、人生における重要な決断や行動においても同様です。目標を明確に設定し、状況を正確に分析し、最適な行動を取る。車を通じて学んだこれらのスキルは、人生のあらゆる場面で活かされています。

また、車の限界性能を安全に引き出すためには、リスクマネジメントの能力も重要です。どこまでが安全な範囲で、どこからが危険な領域なのか。この境界線を正確に把握し、常に安全マージンを確保しながら楽しむ。これもまた、人生における重要な教訓です。

車のメンテナンスから学んだ継続的改善の重要性も、人生哲学の一部となっています。どんなに高性能な車でも、適切なメンテナンスを怠れば本来の性能を発揮できません。人間も同様で、継続的な自己改善と健康管理があってこそ、最高のパフォーマンスを発揮できるのです。

技術進歩への期待 – 電動化時代への対応

現在、自動車業界は大きな変革期を迎えています。電動化、自動運転技術の進歩、そして新しいモビリティサービスの登場。これらの変化に対して、私は期待と不安の両方を感じています。

電気自動車の性能向上は目覚ましく、既に多くの分野でガソリン車を上回る性能を示しています。瞬時に最大トルクを発生できる電気モーターの特性、静粛性の高さ、そして環境への配慮。これらは確実に自動車の新たな可能性を示しています。

しかし同時に、内燃機関の魅力も失いたくないというのが正直な気持ちです。エンジン音の美しさ、ギアチェンジの楽しさ、そして何より、機械的な複雑さがもたらす情緒的な満足感。これらは電気自動車では得られない、内燃機関ならではの魅力です。

おそらく将来は、用途に応じて電気自動車と内燃機関車を使い分ける時代になるでしょう。日常的な移動には効率的で環境に優しい電気自動車を使い、週末の娯楽や特別な機会には内燃機関のスポーツカーを楽しむ。そんな使い分けができれば、両方の魅力を享受できるはずです。

自動運転技術についても、複雑な気持ちを抱いています。安全性の向上や交通渋滞の解消など、社会的メリットは大きいことは理解していますが、運転することの楽しさが失われることへの懸念もあります。しかし、おそらく完全自動運転の時代になっても、運転を楽しみたい人のための特別な環境は残されるでしょう。サーキットやクローズドコース、そして私が構想しているようなリゾート施設などで、人間が運転する楽しさを体験できる機会は確保されるはずです。

次世代への継承 – 車文化の伝承

私が33台の車から学んできた経験と知識を、次の世代にどのように継承していくかということも、重要な課題だと考えています。車を単なる移動手段としてではなく、人生を豊かにする文化として捉える視点を、若い世代にも伝えていきたいのです。

現在の若い世代は、車への関心が薄れていると言われますが、それは車の魅力を体験する機会が減っているからかもしれません。スマートフォンやゲームといったデジタルエンターテインメントが発達した現代において、車の運転が提供するアナログ的な楽しさの価値を再認識してもらう必要があります。

私が構想しているカーシェアリング事業も、この文化継承の一環として捉えています。若い人たちに様々な車を体験してもらい、それぞれの車が持つ独特の魅力を感じてもらう。そうすることで、車への関心を高め、車文化の継承につなげたいのです。

また、安全運転の重要性と運転技術の向上についても、積極的に伝えていきたいと考えています。高性能車を安全に楽しむためには、相応の技術と知識が必要です。これらを正しく学び、身につけることで、車の本当の楽しさを体験できるのです。

おわりに – 走り続ける人生への決意

誰もおっさんの車遍歴に興味がないことはわかっています(笑)。しかし、この長い文章を書くことで、改めて自分の車への情熱と、これまでの人生を振り返ることができました。33台の車それぞれに思い出があり、それぞれから学んだことがあり、そしてそれらすべてが現在の私を形作っています。

車は単なる移動手段ではありません。人生を豊かにしてくれるパートナーであり、夢を実現するための道具であり、そして何より、動くものを操作する究極の快感を与えてくれる存在です。1971年生まれのスーパーカーブーム世代として、この情熱は年齢を重ねても決して衰えることはありません。

幼少の頃にミニカーや電動乗用玩具で感じた興奮、初めて本物の車を運転したときの感動、そして現在も続く車への愛情。これらすべてが私の人生の核となっています。車で走ることが好きすぎて、そのために仕事をしているという現実も、全く後悔していません。むしろ、自分の情熱に正直に生きることができていて、幸せだと感じています。

75歳まではレーシングカートを続け、85歳までは車の運転を続けたいという目標も、決して無謀な夢ではありません。そのために週3回のジム通いを続け、健康管理に気を配り、常に向上心を持って車と向き合っています。体力的な制約が出てきても、それに応じた楽しみ方を見つけていくつもりです。

将来のガレージ構想、カーシェアリング事業、そしてリゾート開発。これらの夢も、単なる妄想で終わらせるつもりはありません。これまでの経験で学んだように、明確な目標を持ち、それに向かって努力を続けることで、夢は必ず実現できると信じています。

基本的に、車は乗ってナンボだという信念も変わりません。どんなに美しく、どんなに希少価値が高くても、実際に運転して楽しめない車には意味がありません。仕事の動画撮影で使うことがほとんどですが、それも含めて車を活用することだと考えています。

車好きな皆様、そして偶然この長い文章をお読みいただいた皆様、ありがとうございました。もし機会があれば、一緒にドライブを楽しみましょう。きっと、車を操縦することの本当の醍醐味、動くものを操作することの深い快感、そして人生を豊かにする車の文化について、熱く語り合えると思います。

車を正確に操縦することの醍醐味は、年齢と共により深みを増していきます。これからも、この情熱を胸に、一日一日を大切に、そして一台一台の車との出会いを大切にしながら、人生を歩んでいくつもりです。

1971年生まれのスーパーカーブーム世代として、最後まで車と共に駆け抜けていく所存です。

SUBARU REX FERIA Ⅱ(1991-1994)(ブログ記事はこちら
MITSUBISHI GARANT VR-G TURING(1996-1998)(ブログ記事はこちら
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